島田市こども発達支援センター『ふわり』+民営化保育園   設計:エーアンドエー総合設計/八木敦司建築設計事務所

ノーマライゼーションの理念に基づき、島田市によって計画された、こども発達支援センターと民営化保育園の合築です。0才から5才の子供たちが、分け隔てなく交流できる環境づくりがされました。
こども発達支援センター「ふわり」には、園児の指導室、遊戯室、個別指導室と、相談指導を受ける事ができる支援室が併設されています。
大津保育園には0〜5歳児保育室、一時保育室、病後児保育室、遊戯室、地域子育て支援センターが設けられています。子供も覗くことのできる大きな調理室は,両園の昼食をつくります。

こどもたちが好きになれ、自慢できる、そして、地域に愛される園舍でありたいと考えられました。そのために、自然の持つ有機的な暖かさとともに、こどもたちの感じることのできる単純なかたちを表現しています。連なる屋根は、さながら空に浮かぶ雲のように見えます。さらには、「おうちのようだね。」とか、「レゴみたいだ。」「山みたいだ!」と、こどもたちがいろいろ想像して、建築をもっと身近に感じてほしいと思います。おもちゃや、好きな雲のような存在です。こどもたちに共通の、発達の段階に関係無く、皆で共有できる、そういった大切な感覚を大事に設計されました。

平面計画のイメージは,海と海岸線に例えられます。園舎を陸に、外部スペースを海に見立てると、入江のような静かな海が、安全に遊べる中庭、前庭は、より開放的な湾、運動場は一体的で境界なく共有される、さながら外海でしょうか。海に象徴されるように、つながって、一体でありながら、特徴的な性格の異なる場所が存在します。

陸に象徴される園舍は、平屋建ての木造の園舍です。地場の大工さんでも作れる単純な工法でありながら、特徴的な段々形状の構造とすることで、画一的なデザインになることを避け、部屋の大きさや用途に合わせた天井高や形状を持ち、特徴的な「家」のあつまりのような園舍としています。また、段々形状は、海岸線のように、出っ張り、引っ込みがあり、こどもの居場所としての多様性、静けさやにぎわいをつくりだしています。

さらに詳しくはPDFをご覧ください。

photo:Tomohiro Sakashita

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ATSUSHI YAGI ARCHITECTS & ASSOCIATES